刺激制御療法
(不眠に使えるCBT)
刺激制御療法とは

アメリカのリチャード・ブーチンらが始め考案した手法と言われております。
やり方はとてもシンプルで誰でも利用することができます。
刺激制御療法では不眠の条件付けを弱め快眠の習慣を身につけます。
不眠の条件付けとは?

1.ベッドに行く
↓
2.作業をする(スマホや本を読んでゴロゴロする)
↓
3.眠れなくなる(目が冴える)
これが長く続くと、脳が不眠の条件付けを記録して
1.ベッドに行く
↓
3.眠れなくなる(目が冴える)
のような不眠の条件付けになってしまうのです。
条件付けには古典的条件付けと道具的(オペラント)条件付けがある
刺激制御療法は、古典的条件付けを利用した手法です。
古典的条件付けで有名なのは以下の「パブロフの犬」です。

1.ベルを鳴らす
↓
2.犬に餌を与える
↓
3.犬がよだれを垂らす
上記の流れを繰り返すと、
1.ベルを鳴らす
↓
3.犬がよだれを垂らす
という条件付けがなされます。
不眠の条件付けを弱めるには

1.ベッドに行く
↓
2.リラックスし眠ることに専念する
↓
3.15分以内に眠りにつく
上記の流れを繰り返し、脳に記憶させ
1.ベッドに行く
↓
3.15分以内に眠りにつく
に条件付けする事を目指します。
刺激制御療法のやり方
以下の7つのルールを実行してください。
1.眠くなったときのみベッドへ行く
2.15分経過しても眠れなければベッドから出て、他の場所でリラックスする。
※時間は自分の大体の感覚で大丈夫です。15分は目安です。眠れないと感じたらベッドから出ることが大切です
3.1.~2.を眠れるまで繰り返す
4.中途覚醒して目が覚めてしまい15分以上たっても眠れなければベッドから出る
5.睡眠の質や量に関係なく朝同じ時間に起きる
6.できる限り仮眠は避ける
7.ベッドは眠るときのみ使用する
参考
・土井貴仁,ベッドにいてはいけない,p107-p115
・尾崎章子ら,健康づくりのための睡眠指針2014に基づいた保健指導ハンドブック,P52
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