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マインドフルネス瞑想のやり方

公開日: : 最終更新日:2019/04/26 心理テクニック, 心理用語, 治療, 認知行動療法

マインドフルネスとは?

一言でいうとマインドフルネス(瞑想のような)は、セルフモニタリングの一種です。

そしてマインドフルネスというと、「サティ瞑想」「ヴィッパサナー瞑想」「禅瞑想」「ヨガ」等、色々な広義でのマインドフルネスが存在しています。

どれも目的により効果的ではありますが、やり方が少し違っているのも事実です。このサイトではいくつかのポイントに絞ってのやり方と効果についての一部をご紹介したいと思います。

マインドフルネスの複数のやり方と効果

1.呼吸法

やり方:椅子に座り背筋を伸ばしリラックスします。鼻から入った空気の流れを感じ肺が膨らみ肺が縮み、鼻からもしくは口から出ていくのを集中して観察します。これは”まさに今を感じている”ことにつながります。
そして雑念が浮かんで来たら呼吸に意識を向け集中しなおします。これを設定した時間の間(例、15分間)繰り返します。目は開けていても閉じていても構いません、姿勢は背筋を伸ばしていればどんな態勢でも構いません。寝てしまわないようにしましょう。

効果:ストレス軽減、ストレスに強くなる、脳の効率化、新しいアイデアの閃き

2.ボディスキャン

やり方:右足首→右ふくらはぎ→右太もも→左足首→左ふくらはぎ→左太もも→腰まわり→お腹→胸→肩甲骨→右腕→左腕→首→頭 順番を自身で決めスキャン(温かいのか冷たいのか痛みがあるのかをチェック)していきます

効果:自分の体の悪い所に気づき、意識を向けることで痛みを抑制させる。痛みを脳に知らせることでホメオスタシス(恒常性)の原理で、免疫を増大させる(結果痛みの軽減に寄与する)

3.今の思考、感情、身体反応に気づく

やり方:椅子に座り背筋を伸ばしリラックスします。今考えている思考や感情、身体反応を実況中継する。(脱フュージョンテクニックの一種)

効果:客観視できメタ認知力を鍛えられる、気持ちを落ち着かせる、今の自分の思考に気づける

4.物事を良い悪いで評価しない
やり方:赤ん坊が初めて物を見たり聞いたりしたような感じ方をする。毒蛇を見ても、赤ん坊は無知のためその物体がただ動いているだけで良いも悪いも評価しない。そのような感じ方をする。

効果:新しい角度から見ることで、新しいアイデアが生まれる。先入観が取り払われ、苦手な人と接しても良い気づきがあり関係改善の糸口につながる。

5.その他(食べる瞑想、歩く瞑想、~と思ったワーク、考えを葉に乗せて流す、脈をトラッキングする 等々があります)

上記のようなマインドフルネス瞑想がありますが、共通しているポイントは以下の通りです。

マインドフルネスの意識すべきポイント

・”今この瞬間”に注意を向ける
・今生きている、自分が存在していることを感じる
(5感を意識する=>今生きていると感じられる)
・瞑想だが宗教色はない(誰が行っても良い瞑想)
・物事に良い悪いの判断をつけない
(赤ん坊が毒蛇をみても、それは悪い生き物だと考えないように初心に戻ること)
・じっと我慢すること
・ありのままを感じ受け入れ手放す

私たちは毎日未来の事を考え将来に起こる不安と常に向き合っています、かと思えば過去の後悔で「あんなことを言うんではなかった」と常に未来過去を頭の中でぐるぐると行ったり来たりしています。

これをマインドワンダリングと言います。
マインドワンダリングはとてもストレスフルな状態です。

マインドフルな状態とは、未来過去から離れ、”今に焦点をあてる”ことでストレスフリー(ストレスからの解放)になることです。

5感を活用し、呼吸に集中し今生きていることを実感する。
それがマインドフルネス瞑想の原点と言えるかもしれません。

そうすることで上記のような様々なポジティブな効果が期待できるのです。

※便宜上、5感としてありますが、本来は感覚全般です。5感は紀元前の古代ギリシャの哲学者であるアリストテレスにより提唱されましたが、現在はそれ以上の感覚があることがわかっています。

5感とは?

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9F%E8%A6%9A
参考
・日本マインドフルネス学会研修
・『グーグルのマインドフルネス革命』
・Jガバットジン著『マインドフルネスストレス低減法』
・Jガバットジン著『マインドフルネス瞑想ガイド』
・伊藤えみ『自分でできるスキーマ療法ワークブックBook1』P80
・NHKスペシャル『キラーストレス』https://www.nhk.or.jp/special/stress/02.html

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