双極性障害とうつ病の脳体積に差異があることが判明!
双極性障害の前頭葉部位2つは、うつ病より小さい

この2つの疾患のうつ状態は症状からは診断が難しいのですが、さらにこうした研究が発展すれば、頭部MRI検査で客観的な診断が可能となることが期待されます。
山口大学大学院医学系研究科高次脳機能病態学講座の松尾幸治准教授、原田健一郎助教、山形弘隆講師、渡邉義文特命教授らの共同研究グループは、日常診療で使用するMRI(エムアールアイ)を用いて脳の画像を撮り、多数の双極性障害(躁うつ病)とうつ病の患者さんの脳の体積を計測したところ、双極性障害の患者さんはうつ病の患者さんと比べて、前頭葉の一部である背外側前頭前皮質と前帯状皮質という2つの部位の体積が小さいことを明らかにしました。これらの部位は、感情や思考の調節をする重要な役割をもっています。
研究方法
参加者は、わが国では596人のうつ状態のうつ病患者、158人のうつ状態の双極性障害患者、777人の健常者に参加してもらいました。参加者は、北海道大学、国立精神神経研究センター、広島大学、山口大学と幅広い地域から集められました。米国では、テキサス大学サンアントニオ校で43人のうつ状態のうつ病患者、36人のうつ状態の双極性障害患者、132人の健常者が参加しました。
この研究は各大学および研究室の倫理委員会から研究を進める承認を得ており、全ての参加者は研究への参加について口頭及び文書で十分な説明を受け、同意書に署名しています。
全ての脳のMRI画像が山口大学に集められ解析されました。
解析する脳の部位は、気分や思考の調整に関わっており、双極性障害やうつ病に関係すると考えられている部位を選びました。
参考
・双極性障害(躁うつ病)とうつ病の前頭葉体積の違いが明らかにーMRIにより診断の判別が可能となることに期待ー https://www.amed.go.jp/news/release_20171130-01.html
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