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自己受容(アクセプタンス)のテクニック

公開日: : 最終更新日:2019/06/28 未分類, 治療, 考え方, 認知行動療法

自己受容(アクセプタンス)のテクニック

受容とは?その方法は?

受容(じゅよう)とは、その人が置かれた現実の状況について、変化や抵抗しようとせずに、その過程や状況を理解し受け入れようとする姿です。

その多くはネガティブで不快な状況の時です。

例えば、交通事故に遭い体の一部をケガしそれがなかなか戻らないことだったり、家族が亡くなってしまいそれをずっと受け入れることができなかったり。

これは私達が望んでいても、決して自分の力では変えることができない時に使う技となります。

努力すれば変えられるものであれば、自己受容する必要はありません。

自分ではどうしようもできない辛い状況、自分では変えることのできない時に、”諦める” ことで受容することができます。

受容のアンバランス(受容ができない事のストレス)によるメカニズム

自分のネガティブな感情を受け入れられないと、マイナスの心理メカニズムが働きます。

  1. イライラや不安から目を背け、「無い物」として扱う
  2. ネガティブな感情を無理やり押さえつけているので、「イライラと不安」に意識が向いてしまう
  3. 意識が向かったせいで、ネガティブな感情が必要以上に誇張される
  4. ストレスが悪化する

受容するメリット、デメリット

受容するメリットは、今まで苦しめていた自分の心を楽にすることができます。

ただしデメリットもあり、そのことに対しての努力を辞めることになるので成長ができなくなるのです。

受容は最終技

つまり使いどころとしては、自分では絶対にどうにでもできないが、何とかしなければ、なんとかできるんではないだろうか?と自己効力感を持ち自分に期待し苦しめているような状況下において、諦めることで心を開放し楽にする最終技だと言えます。

なぜ最終技かと言うと、もう少し自分で努力すれば何とかなる状況であれば受容する必要はないですし、受容してしまうと努力できなくなるからです。

自分が変えられるものなのか、変えられないものなのかを感情的にではなく、能力的に見極められるようになることが重要です。

そして、「受容」して心を楽にするために最も重要なことは、『その事を諦める事=自己効力感を持たない事で期待しない=自分にはその事について絶対何とかできる能力はない』と強い意志を持つことにあります。

理屈がわかったとしても、実際に受容することは難しいことです。

なぜなら今いる状況がその能力を必要としている場合が多いからです。

なぜなら人間には中核的感情欲求があり、「人に好かれたい」「自分を自分でコントロールしたい」などを抑え込むことになるから
です。
しかし本当に追い詰められたときに、気持ちを楽にするためには必要な技術であります。

受容のメカニズム

パニック障害で受容メカニズムを応用する

パニック障害の場合、その状況を自分では変えられない事(自分のコントロール下でない状況)に対して、過敏になり死の恐怖を感じています。

なので、自分では絶対にその状況を変えられないし、”死んでもいいやという諦め”が大事で。人間なんていつ死ぬかわからないし、心から受け入れる気持ちが重要になってきます。

段階付けをして、いきなり長い区間の電車に乗るではなく、各駅に乗ったりだとかするのも工夫のひとつです。

また、期間を開けすぎず何度も乗ることで、成功体験や”慣れ”が生じ、まったく気にならなくなっていきます。

アクセプタンス・ワードセラピー

「受容」の概念がなかなか実感として難しく、理解できない方も多いです。

そこで手始めに推奨されているワザがありますので、ご紹介します。
受容できないストレスを軽減してくれる効果が期待できます。

これはアメリカのノースウエスタン大学が考案したトレーニングで、受容の精神を掴むために大きく役立ちます。

方法としては、受容の精神を表現した名言を読むことです。

ノースウエスタン大学の実験によれば

  • 名言を読まなかったグループに比べて、ストレスによる食べすぎが60%減少
  • ストレスによる無駄な買い物に手を出す確率も50%減少

結果として、名言を読んだグループは自然と受容の精神が高まり、セルフコントロール能力が向上したようです。

以下は、名言の一例を少しだけ。

一つアメリカの神学者ラインホルド・ニーバーが作った詩の一説をご紹介します。

『変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、それをうけいれられる冷静さを与えたまえ。
そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、見分ける知恵を与えたまえ』

ジョセフ・キャンベル
『わたしたちは、計画した人生をあきらめる意志を持たねばならない。
未来に待ち受ける人生を受け入れるために』

老子
『自分が何者であるかにこだわらなければ、自分になれるだろう』

ジェネリック・ユー(一般的なあるある体験)

また受容するテクニックとして一般的なあるある体験に置き換えるという技があります。

「テストに失敗して辛かった」という出来事があれば、

「人は誰でもテストに失敗し辛い気持ちを味わったことがある」

という風に置き換えることで、ミシガン大学の約600人の男女を対象にした実験では、不快が軽減される確率がアップしたという。
参考
・アクセプタンス https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%83%97%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B9
・鈴木祐,超ストレス解消法

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