精神療法ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)の考え方を学ぶ
精神療法ACTの考え方を学ぶ

精神療法ACTの備忘録を箇条書きにしていく
・幸福とは気分が良いことでなく、意味ある人生のこと。心から重要と思えることや、価値があると思える方向に動き出すことが幸福につながる
・弱い感情はコントロールできる
気を紛らせ、避ける、抑圧し、反論し、コントロールする
・強い感情はコントロールできない
無理にすると悪循環になる。過度にコントロールしないようにした方が良い。その経験を回避し過ぎるとうつになる
・嫌な感情は追い出さなくて良い、いずれ自然に消える
ACTの目的は、困難な気分を取り除くことではなく、むしろ私たちが自らの人生と共に今この瞬間に留まり、価値づけられた行動へと向けて前に進むことである。ACTでは、不快な気分に対して、オープンでいること、過剰反応せずにいること。
心理的柔軟性をもたらす思考の6つの原則
1.脱フュージョン不安が何か浮かんだら、「…と思った。」を付け加えイメージと自分を切り離すというテクニックを使う。そしてこの不安は将来のなりたい自分になる為の助けになるのか?を考える。
あるいは、嫌な感情にラベリングするというテクニックを使う。「この感情は虚しさから来てる悲しみだ」「これは理不尽による怒りだ」「この出来事は自責が50%あるが他責も50%ある虚しさだ」という風にラベリングし名前をつけると、感情は限定的になり、気持ちがクールダウンしてくる。
2.拡張
不快な感情を追い出さず居場所を作ること。
物事のありようを自覚し、賢い関わり方を見つける。受容すると、不安は去りやすくなる
3.接続
今この瞬間に集中する、
焦らずじっと我慢すること、適切なペースで物事は進展していく。不安を無理に消す必要はない
4.観察する自己
何かに気づきはするが考えない。記憶することであり、テニスボールのラリーを目で追い見ている感じ
5.価値の確認
自分の価値観を明確にする。どんな人間になりたいか、自分に重要なこととは何か知る
6.目標に向かっての行動
価値によって動機づけられた効果的な行動であること
※1から4はマインドフルネスの手法
ACTは、マインドフルネス+価値+行動=心理的柔軟性 である。
参考
・ラス・ハリス,幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない(マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門)
・アクセプタンス&コミットメント・セラピー,https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%83%97%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B9%26%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%BB%E3%83%A9%E3%83%94%E3%83%BC
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