「影響力の武器」を読んでみた。
影響力のある点まとめました!
目次
影響力の武器から考え方を学ぶ
この本は、心理学的側面から相手にどのように影響するのかを分かりやすい事例で書かれている素晴らしい本ですので、ぜひ一読してみることをおススメします。
私達は日々自分を自動運転している
自動運転をしていないときは、重要な場面かつ対処能力があるときに限る。つまり疲れていた、知識が全くなかったりすると、「(医者など)専門家の意見は正しいもの」として自動運転してしまったり、「値段が高いもの=良い物である」とステレオタイプな固まった考えで自動運転してしまう。
自動運転で正しい判断ができず、結果損をしてしまうことがあるという。
もちろん自動運転にもメリットはあって、日々の繰り返し作業などのエネルギーの節約にもつながっているが、認知バイアス(偏り)には注意が必要だということ。
お願いをするときはbecause(ので)を入れた方が良い
お願いをするときはbecause(ので)を入れることで、お願いが通る確率が上がる研究結果がある。(コピー機を割り込みで五枚だけ取らして欲しいと。理由述べる、述べないの実験で)
結論、人は理由を欲するから理由を伝えることがとても重要。
コントラストの原理
一番目と二番目が大きく異なる場合、二番目をはじめて触れた実際以上に違いを感じてしまう。常温の水に手をつけるにしても、その前に冷水だったか、温水だったかで感じ方が変わってしまう。
優しい人がずっと優しいよりも、冷たい時があり優しくする方がずっと優しく感じる。
返報性の法則
好きな相手嫌いな相手は関係なく、お節介な贈り物であっても受け取るとお返ししなければと義務感が生じる。そしてお返ししないでルールを破ると人から嫌われてしまうので、社会的な生きものである人は破れない。ただし、家族や親密な友人など長期的な関係では返さなくても、ある程度許容される
ドア イン ザ フェイス
お願いを断ったあとに、罪悪感から譲歩されたお願いをされると受け入れやすくなる。二番めのお願いは少し軽いものでも構わない。p70では、二番目のお願いが最初の場合17パーだったが、50パーと三倍の成功率を収めた実験が記載されている。例)今月お金なくて一万貸して、千円だけでもいいよ。後は何とかするから
フット イン ザ ドア(段階的要求)
最初に小さな要求を出し、YESを積み重ね、最終的に大きな要求をのませるテクニックについても触れている。これはコミットメントと一貫性にも関連している。この人のお願いに断ったことがないという一貫性ができるので。
コミットメントと一貫性
人はある選択に一度決定を下す(または自分の立場を明確にする)と、その決定に対し一貫性のある行動をとるように圧力がかかる。例1)競馬で馬券を買ったらその馬が勝つ予想確率が、買う前より上がってしまう。
例2)寄付依頼のテクニック お元気ですか? と挨拶のように言う。元気と答えた人は一貫性が働き、自分は恵まれた環境で元気でいるのだと認識する。そこで恵まれない子供たちへの寄付を断るのはケチだと考えてしまう
つまり、今後の行動を方向づけることになる。 なので行動が苦手なひとは、先に決断をすることでテープが回り出します。
社会的証明
自分が思っている意見を上回り、自分と同じような人が行なっていることを真似て自分もやろうとしてしまう。例えば、学校で募金をするときに集金者が「自分もここの学生でした!」と呼び掛けることで、自分と似た人間であると感じ同じ目標を後押ししたくなってしまうものだという。実験によると、そう呼び掛けることで寄付が二倍以上になったという結果がある。
好意
外見の魅力は最も強く影響する。外見の良い人は、才能、親切心、誠実さ、知性といった望ましい特徴をもっていると自動的に考えてしまう。ハロー効果(ある人が望ましい特徴を一つ持っていると、全てが素晴らしいひとだと感じてしまうこと)が発動されていると考えても良い。
次に影響するのが、類似性。私たちは自分に似ている人を好みます。
他に影響を受けるものとして、お世辞があります。私たちはお世辞に対し自動的に肯定的な反応を示してしまうと言われています。
その他には接触と協同も好意を高めます。私たちは馴染みのあるものを好む傾向にあります。 ※ただし、相手に嫌われていなければ
権威
一般人は権威者には服従する。(例えそれが悪いことであっても)そういった実験結果が出ている。
ミルグラムによる実験では、不正解になると電流が流され間違える度に一段ずつ上げられて叫ぶ役者がいて、その事を知らない参加者(教師役)が研究者の続行指示を断れず最後まで完遂してしまうという何度も再現できた信頼性の高いデータがある。
人は権力の前では残酷にもなれる。
希少性(わずかなものについての法則)
「何かを愛するには、それを失う可能性を実感すればよい」- G/K/チェスタトン希少性の原理は、手に入りにくくなるとその機会がより貴重なものに思えてくる。
数量の限定、時間の限定は効果がある。商売では特にこの二つを利用していることが多い。Amazonでは在庫数の表示、タイムセールなどで衝動買いした経験はありませんか?
参考
・『なぜ人は動かされるのか?影響力の武器 第三版』,ロバート・B・チャルディーニ
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