アドラー心理学 ~嫌われる勇気まとめ~
目次
アドラーってどんな人?

アルフレッド・アドラー(1870年2月7日 – 1937年5月28日) (精神科医、心理学者)
・アドラーは幼い頃に、声帯のけいれんとくる病に苦しんだ。また、3歳下の弟が生後1年でジフテリアで死んだこと、何よりアドラー自身が4歳頃に肺炎にかかって危うく死にかけたことが、医師を志す動機となった
・25歳で内科医で開業
・フロイトに招かれ研究グループに入ったが、学説が対立しフロイトから離れ、個人心理学(アドラー心理学)が誕生した
・アドラーは楽観的な意見の持ち主で、個人心理学の知識を通じて、世界をよりよくするための機会を提供できると確信していた。
アドラー心理学が日本で人気な理由は?
”どう生きたら良いのか?”という難問に、アドラーが迷いなく答えを出しているからです。 また、他者からの承認欲求に支配された人生は自分の人生を生きていない。本タイトルの”嫌われる勇気”が必要というフレーズが受けてブレイクしました。
【アドラー心理学】は勇気づけの心理学
アドラー心理学では、人間は誰しもが目的に向かう欲求を持っていると仮定しています。目的を達成するために、誰しもが様々な課題にぶつかることになります。
アドラー心理学では、様々な課題を乗り越えるための活力を”勇気”と呼び、その活力を与えることを”勇気づけ”と言います。
勇気づけを行う5つの基礎理論
①自己決定性
人間は環境や過去に縛られることなく自らの運命を作り出せるというもの。どんなに辛い過去、トラウマがあったから、将来ダメになる…ということではなく、未来は過去を考えずに描き出せるという考え方。
もしも「自分自身を変えられない」と悩んでいたり、
https://lifehack-animation.com/adler-2/
環境や過去のせいにして立ち止まっている場合には、
その人は、自分自身を変えないと決定しているのであり、
また環境や過去で自分の人生を決めると決定しているのです。
②目的論
目的論とは、人の行動は未来の目的によって決められるというもの。原因論とは対になる考え方です。
例)状況:過去のトラウマが原因で家に引きこもっている人がいる

最終的には、「現状維持することが目的となっている」と考えることができる。つまり過去のトラウマは手段として用いられているだけに過ぎない。
原因論では過去の出来事で因果関係を説明することができるのに対し、目的論では未来にある目的によって因果関係を説明できます。
原因論では過去(原因)があり今(結果)があると考えるのに対し、目的論では目的があり今の行動を決めていると考えます。
原因論側に傾きすぎてしまった考えを、目的論側にバランスをシフトし柔軟な考えに変えていくことで”勇気づけ”が行えます。
※勇気づけとは…困難に立ち向かう活力の事
例では、過去にトラウマで引きこもっている事実はあるにせよ、今の目的は何かに着目することで問題解決を図ります。シンプルにもしひきもりの現状維持が嫌なのなら目的を変える必要があります。
③全体論
人間の体と心を分けて考えることは不可能という考え方。※対した考えに、フロイトが提唱した二元論があります。
これは、意識と無意識、理性と感情、肉体と精神のように体と心を分けて考えます。
④認知論
物事を客観的に捉えることは不可能という考え方例)朝起きて雨が降っていたとき、
Aさん:雨が濡れて嫌だと考える
Bさん:部活が休みになってうれしい
Cさん:畑の水やりしなくて良いラッキー
物事の捉え方は自分次第で、自由に変えられるもの。
⑤対人関係論
あらゆる人間の思考や行動には「相手役」がいる。自分の行動は誰かしらの影響を受けているということ。
「すべての悩みは対人関係の悩みである」
もしこの世に自分だけしかいなかったと仮定したら、悩みは消えませんか?
もともと他人がいないのなら孤独すら感じることはありません。孤独は比較対象があります。光があれば影がある。他人がいないのなら個人もありません。また、衝突、競争、嫉妬、劣等感もありません。
https://lifehack-animation.com/adler-2/
自分の中で起こっている事を理解するためには、
自分の今の行動に対する「相手役」は誰なのか、またその「相手役」からどのような反応を期待しているのかといった事を考えるようにします。
自己中心的な人は「課題の分離」ができていない?!
”自己中心的な人”の特徴は、承認欲求に囚われている。他者への関心を失い「わたし」にしか関心がない。
他者の視線は気にしているが、それは自分がよく思われたいだけの人です。
では「課題の分離」とは何でしょうか?
人生のあらゆる局面で出てくる問題のことで、自分の課題と他者の課題を分離し、他者から自分の課題に踏み込ませず、自分も他者の課題に踏み込まないようにしなければなりません。
自分の課題と他者の課題の線引きにする考え方は、”最終的な責任を負うのは誰か?”です。
「課題の分離」が役立つときは、
・他者から承認欲求を求めてしまうとき
・相手に命令し強制させたいと思うとき
・相手からの見返りを求めてしまうとき
です。
参考
・『嫌われる勇気』岸見一郎 古賀史健
・https://lifehack-animation.com/adler-2/
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