アルフレッド・アドラー名言を読解する!(嫌われる勇気編その1)
目次
- 1 アドラー名言集(嫌われる勇気編その1)
- 1.1 人は誰しも客観的な世界に住んでいるのではなく、自らが意味付けをほどこした主観的な世界に住んでいます。
- 1.2 人は変われます。のみならず、幸福になることもできます。
- 1.3 不安だから外に出られないでのはない、外に出たくないから不安という感情を作り出している
- 1.4 我々は原因論の住人である限り一歩も前には進めません。
- 1.5 大声を出すために怒った
- 1.6 大切なのは何が与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである
- 1.7 今のあなたが不幸なのは、自らの手で「不幸である事」を選んだから
- 1.8 あなたはあなたのライフスタイル(性格や気質)を自ら選んだのです
- 1.9 自分の短所にばかり目がいって自分を好きになれない人は、他者から嫌われ、対人関係のなかで傷つくことを過剰に恐れているからです。
- 1.10 人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである
- 1.11 劣等感は誰にでもあるもの
- 1.12 「状況は現実的な努力によって変えられる」ということを受け入れられないひとたちは劣等コンプレックスを持っている。
- 1.13 自慢する人は劣等感を感じている
- 1.14 自らの不幸を武器に相手を支配しようとする
- 1.15 人生は他者との競争ではない
- 1.16 健全な劣等感とは、他者との比較のなかで生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるもの
- 1.17 対人関係の軸に「競争」があると、人は対人関係の悩みから逃れられず、不幸から逃れることができません。
- 1.18 「人々はわたしの仲間なのだ」と実感できていれば、世界の見え方は全く違ったものになります。
- 1.19 ひとりの個人が、社会的な存在として生きていこうとするとき、直面せざるを得ない対人関係。それが人生のタスクです。
- 1.20 交友のタスクは仕事のような強制力が働かないため、踏み出すのも深めるのも難しい関係です
- 1.21 愛のタスクが最も難しい
アドラー名言集(嫌われる勇気編その1)
人は誰しも客観的な世界に住んでいるのではなく、自らが意味付けをほどこした主観的な世界に住んでいます。
「世界」が複雑なのではなく、ひとえに「あなた」が世界を複雑なものとしているのです。井戸水の温度は年間通してほぼ18°で一定しています。しかし、夏に飲むと冷たく感じ、冬に飲むと温かく感じます。
人は変われます。のみならず、幸福になることもできます。
問題は世界がどうあるかでなく、あなたがどうであるか。不安だから外に出られないでのはない、外に出たくないから不安という感情を作り出している
我々はみな、なにかしらの「目的」に沿って生きている。目的論に基づく考え方です。
我々は原因論の住人である限り一歩も前には進めません。
アドラーは、過去に原因があり今があると考えると前に進めないが、目的により今の行動を決めていくと考えることで前へ進めるといいます。目的論と原因論は相対する考え方です。詳しくはこちらをご参照ください。
大声を出すために怒った
ある怒りの一例を挙げます。喫茶店でウェイターが私の上着にコーヒーをこぼしたとしましょう。
怒りに駆られて大声を出したのではなく、大声を出すことでウェイターを屈服させたくて大声をだしたのだと目的論では表せます。怒りは出し入れの可能な道具だとアドラーは考えています。
大切なのは何が与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである
他の誰かになりたがっている人は、ひとえに「何があたえられているか」にばかり注目しているからです。そうではなく、「与えられたものをどう使うか」に注目するのです。今のあなたが不幸なのは、自らの手で「不幸である事」を選んだから
あなたは人生のどこかの段階で不幸であることを選んだ。不幸な境遇に生まれたから、不幸な状況に陥ったからではなく、「不幸であること」がご自身にとっての「善」だと判断したということなのです。あなたはあなたのライフスタイル(性格や気質)を自ら選んだのです
自身の「世界」をどう見ているか?「自分を」どう見ているか?世界への意味付けを集約させた概念をライフスタイルと言います。
再び自分でライフスタイルを選びなおすことはできます。もし変われないのでいるならそれは「変わらない」という決心をしているからであると考えられています。
つまり人は、いろいろと不満はあったとしても、「このままの私」でいることのほうが楽で安心なのです。
いうなれば、「幸せになる勇気」が足りていないのです。
自分の短所にばかり目がいって自分を好きになれない人は、他者から嫌われ、対人関係のなかで傷つくことを過剰に恐れているからです。
そんなあなたの「目的」は、「他者との関係の中で傷つかない事」です。対人関係のなかで傷つかないことなど、基本的にありえません。踏み出せば大なり小なり傷つくものだし、あなたも他の人を傷つけているのです。 「悩みを消しさせるには、宇宙の中にただひとりで生きるしかない」がそれは不可能です。
人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである
アドラー心理学の根底にある概念です。どんな種類の悩みであれ、そこには必ず他者の影が介在しているといいます。劣等感は誰にでもあるもの
まず、人は無力な存在としてこの世に生を受けます。そしてその無力な状態から脱したいと願う普遍的な欲求を持っています。これを「優越性の追求」と呼びます。理想に到達できていない自分に対し、まるで劣っているかのような感覚を抱きます
劣等感は使い方さえ間違わなければ、努力や成長の促進剤となりえます。
「状況は現実的な努力によって変えられる」ということを受け入れられないひとたちは劣等コンプレックスを持っている。
これは劣等コンプレックスといい、劣等感とは違います。 劣等コンプレックスは、自らの劣等感をある種の言い訳に使い始めた状態のことを指します。自慢する人は劣等感を感じている
「AだからBできない」といっている人は、Aさえなければ、わたしは有能であり価値があるのだと暗示しているのです。できない自分を受け入れられないから、補償しようとして、偽りの優越感に浸るのです。これを優越コンプレックスと言います。
自らの不幸を武器に相手を支配しようとする
その人は永遠に不幸を必要としています。人生は他者との競争ではない
同じ平らな地平に前を進んでいる人もいれば、後ろを進んでいる人もいる。誰とも競争することなく、ただ前を向いて歩けばいいのです。自らの足を一歩前に踏み出す意思が大切です。健全な劣等感とは、他者との比較のなかで生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるもの
「我々は同じではないけども対等」いまの自分より前に進もうとすることに価値があります。
対人関係の軸に「競争」があると、人は対人関係の悩みから逃れられず、不幸から逃れることができません。
競争の先には、勝者と敗者がいるからです。このときあなたにとっての他者は敵だとみなします。いつの間にか、他者全般のことを、世界のことを「敵」だとみなすようになります。「人々はわたしの仲間なのだ」と実感できていれば、世界の見え方は全く違ったものになります。
世界を危険な場所だと思うこともなく、対人関係の悩みだって激減するでしょう。ひとりの個人が、社会的な存在として生きていこうとするとき、直面せざるを得ない対人関係。それが人生のタスクです。
仕事のタスクでは、他者と協力なしに一人で完結する仕事はありえません。仕事の対人関係では成果という共通目標があるので、少しくらい気が合わなくても協力できるしせざるを得ないところがあります。「仕事」の1点のみ結ばれている関係であれば、転職などしたら他人の関係に戻れますが、この段階でつまずいてしまっているのがニートやひきもりの人たちです。交友のタスクは仕事のような強制力が働かないため、踏み出すのも深めるのも難しい関係です
友達は多い方がいいと思っている人は大勢いますが、考えるべきは関係の距離と深さなのです。愛のタスクが最も難しい
人は「この人と一緒にいると、とても自由に振る舞える」と思えた時、愛を実感することができます。参考
・『嫌われる勇気』岸見一郎 古賀史健
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